光合成ユビキティ あらゆる地球環境で光合成を可能とする超分子構造制御

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公募研究募集

本領域では、地球上のどこでも光合成を行う能力(光合成ユビキティ)を理解することを目指すR6-R7年度の公募研究を募集します。公募研究のオンライン説明会を2023.7.20に開催いたしました。当日の説明会の動画と質疑応答の内容を公開しますので、応募の参考にしてください。例えば、非モデル生物などを扱う研究や、新しい構造・機能解析手法に関する研究など、幅広い分野からの研究者の参画を期待します。また、若手研究者や女性研究者の積極的な応募を歓迎します。

公募研究に関する詳細については、文科省のホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1299598.htm)に掲載されている
公募要領(https://www.mext.go.jp/content/20230714-mxt_gakjokik-000030834_01.pdf)を御覧ください。

 

【質疑応答】

Q1. 公募は毎年ありますか?

→公募は毎年はありません。この領域研究はトータル五年で、最初の一年に相当するのは今年になりますが、期間内に二年間の公募研究が二回行われます。一年目に公募して二年目三年目に公募研究を担当していただく、また三年目に公募して四年目五年目に公募研究を担当していただくという形で、二回の公募を予定しています。

Q2. 光合成細菌は研究対象に含まれるでしょうか?

→もちろん含まれていますので、ぜひ積極的にご応募いただけたらと思います。また植物科学でも、光合成をキーワードにした植物科学の研究であれば、十分に対応しておりますので、ある程度抽象的に、幅広に捉えてください。

Q3. 内容を見ると構造解析に寄っている印象を受けたのですが、公募研究は構造解析には限定しないという話をされており、どこまでその範囲が広いと考えたら良いでしょうか。やはり光化学系の反応中心などはテーマの一つとして考えていかなければいけないという認識でしょうか?

→全くそういったことはありません。もちろん、計画班の中には光化学系の研究をされてる方も多いのですが、光化学系関係の研究をしていないと応募できないですとか、また、その構造を志向した研究をしないと応募できないということはありません。光合成が地球上でどこでも行われているということを解き明かす研究であれば、例えば100%機能解析の研究で、構造解析は後からついてくる、くらいの感じでも、全く問題ありません。一番重要なところは、光合成がどこでも起こっている、その不思議に迫る研究という位置づけで考えていただけたらと思います。

Q4. 実際にタンパク質の構造を決定することを念頭に置いた研究をしていく必要があるでしょうか?

→実際にタンパク質の構造を決定しなくても、例えばAlphaFoldなどで予測した構造で、どんどん進めていくというような研究をされてる方も多いのではないかと思いますが、情報科学的なアプローチを組み込んでいくということを、領域の中でも積極的に推進したいと考えています。生化学実験がやりにくいような生物などを取り扱っていて、構造解析は難しいという場合には、情報科学を積極的に使っていただいて、光合成研究を深めるというようなご提案も歓迎いたします。

Q5. 領域内では、どのような研究の支援があるのでしょうか?

→領域内では総括班という班を組織しており、「三本の矢」計画を進めています。具体的には、若手研究者を他の研究室に派遣する「領域内留学」という仕組みを積極的に奨励するようなサポートがあります。また「共同研究コンシェルジュ」という制度で、例えば、非モデル生物でゲノム解読が進んでおらず、ゲノム配列を調べるところから、できれば今後構造解析までいけたらいいな、というような漠然とした希望があった場合、どのような共同研究者と組んで研究を進められるのがいいかというようなことをアドバイスしたり、また、いわゆる研究者同士のマッチングのような支援も可能ですし、実際に計画班の中でも共同研究のコンサルティング的な支援も行っています。また、共同研究や融合研究を奨励していますので、「クラウド論文作成道場」と銘打って、特に中堅・若手研究者で、例えば、構造解析を含んだような論文を書いたことがないので、どこに論文を投稿すればいいのか、AlphaFoldの構造で機能解析のデータをサポートするような論文を書いたんだけれども、このドラフトでどういうところに投稿したらいいのか、レビュアはどういう方をサジェストしたらいいのか、というような疑問などについても、支援できるような体制を整えています。

Q6. 域内での支援に関して、研究を進める上で少し困ったときなど、計画班を中心に相談に乗ってもらえたり、専門家を紹介していただいて一緒に進めていく、というような支援はあるでしょうか?

→はい、まさにそういったアレンジの支援を「共同研究コンシェルジュ」という形で提供しており、それぞれのコアとなる研究領域のシニア研究者を中心に、若手・中堅も含めて、積極的に適切なアドバイスや支援ができるような仕組みを用意しています。

Q7. 計画班との共同研究は必須でしょうか?

→必須ではありません。もちろん公募研究班の方同士で共同研究をしていただいても構いませんし、奨励もいたします。ただ、共同研究がそのまま領域横断的な研究へと発展することが期待されていますので、単なる基盤研究の延長にならないように、学術変革領域研究ならではの、チャレンジングな、今までしてこなかったような共同研究が望まれます。しかし、それには決して計画班のメンバーを含める必要があるということはありません。これまでとは違う切り口で、光合成の不思議に迫るというような研究提案を歓迎いたします。

Q8. どのようなスケール感の研究を想定されているのでしょうか?

→光合成というのは、もちろん生物科学の非常に重要な研究領域ではありますが、研究手法という意味では、物理や化学をまたいだ非常に広い研究手法で研究していく領域だと考えています。なおかつ、時間スケールで考えた場合、ピコ秒、ナノ秒というようなレベルの反応から、秒、分、あるいは年というようなスケールの反応で、光合成を考えないと理解できないというような事象も多々あるかと思います。そのすべての時間スケールで、さまざまな空間スケールで研究をされている方を歓迎したいと考えておりますので、是非積極的にご応募をお願いいたします。

Q9. 三本の矢の支援体制が良かったです。もし公募研究に不採択になっても門戸を開いていただければ嬉しいと思います。

→まずは計画班と公募班を合わせた領域内での支援に集中して良い結果を出したいと考えています。

Q10. 私自身は光合成自体の専門家でもありませんし、構造解析は素人ですが、他のメンバーと連携して光を当ててからすぐに起こる光合成を最適化する現象の複合体形成に関してアプローチするような提案も受付ておりますでしょうか?

はい。光合成に関連する研究提案ですので大歓迎です。

Q11. 情報解析の分野では比較ゲノム解析や遺伝子発現ネットワーク解析などのノウハウのサポートも受けられるのでしょうか。

はい。領域内に専門家がいますので,サポート可能です。

Q12. 説明会の前は、光合成装置そのものの研究でないといけないかと思いましたが、必ずしもそうではないことを確認できてよかったです。私は######に関与する####の機能を##を使って解析しておりますが、このような研究も対象として見ていただけるでしょうか。

はい。公募対象となります。ぜひ良い提案を検討して申請して頂きたいと思います。

Q13. 修士1年であり、この領域の研究過程に興味があるのですが、定期報告会などの連絡をメール等で受け取ることは可能でしょうか?

領域ホームページとTwitterを中心に情報発信していきますので,適宜ご確認ください。

Q14. 極限環境に対応できるような光合成分子の改変は対象範囲でしょうか。

はい。対象になります。ぜひ良い提案をご検討ください。